儀平のこだわり
明治二十六年
儀平は本州最南端、和歌山串本に生まれました
当時饅頭は甘さが美味しさの基準とされていた時代。
甘くない饅頭を目指して生まれた甘さ控えめの「うすかわまんじゅう」
儀平の和菓子は
すべて「あん」が違います。
先代がこだわり続けた「甘さをおさえた餡」。甘いだけのあんではない、儀平だけの百年のこだわりの餡。
儀平の和菓子はすべて「あん」の味が違います。その菓子に合う甘さ、舌ざわり、粘度の「あん」を使っています。
材料のこだわり
国産の小豆にこだわり、厳選された材料のみを使用。保存料等を一切使用していないため雑味がなく、豆本来のおいしさを最大限引き出し、甘さをおさえた儀平だけのこだわり「あん」。
あんは生き物
あんの味を決める煮熟。データでは計りきれない長年の経験で熟成された職人の感覚は、季節によって変化する「あん」の癖をすべて把握し、風味・色・舌ざわりすべて最高の「あん」を作り続けています。
「甘くないまんじゅうがあってもいいのではないか」 こんな発想が儀平じいさんの若かりし日の心を燃やした。
「まんじゅう一生」これは儀平さんに贈る言葉。それだけに儀平さんのまんじゅうを作っている時の顔がまた素晴らしい。目が輝いていて少年の顔をする。無心という美しさである。味はそんな美しい心が作り上げる。
今では紀州の串本に「うすかわ」ありと知らない人はいないがもともとは地元の人がうまいから買い、うまいから人にもあげたくなり、貰った人はうまいから買いに行く。こんな優しい心から心に運ばれていったのであろう。
ひとつ、ふたつ、みっつと思わず手の出る「うすかわ」のうまさは、儀平じいさんの無心を受け継いで味が生きている。
随筆家 梅田 恵以子